命の学習塾 伊藤あさみ講演会 「やればできる」
命の学習塾 伊藤あさみ講演会 「やればできる」感想文
平成24年5月26日
上野駅まで伊藤あさみさんと秋葉園長先生をお送りして、「お世話になりました」とご挨拶しました後、駅の階段を上る後ろ姿を見送りながら、2009年9月に放映されました、日本テレビのドキュメント番組を思い出していました。
『生まれた時、脳性小児まひで両手の力を失った彼女は、障害を理由に小学校に入ることもかなわなかった。何もかも母親頼りだった娘に、ある日、お母さんはこう言った。「足で箸を持ちなさい!」人に頼らないで生きていくことを教えたかったと…』
健康で不自由することなく育ってきた私にも、たくさんのご苦労をされてこられた事は想像が出来ました。
お母さんの言葉で、「ないものに頼らず、あるものを使いなさい」とお話しがありました。与えられた状況の中で、個人の能力を最大限活用し、成果を作り上げることが、皆それぞれの立場での責任だと、お母さんは伝えたかったと思います。
理解していても、自分にとって都合が悪いことが起きると、言い訳をして責任を逃れようとします。 責任逃れを続けていては、思いは叶わない、問題に直面することが大切であると感じました。
プログラム委員長を引き受けるにあたり、今期中に是非「伊藤あさみさん講演会」を実現したいと考えていました。 それは私自身番組を拝見し、伊藤あさみさんの生きる姿に勇気をいただいたからです。 講演会が実現しましたこと、とても嬉しく思います。
実際にお会いして、伊藤あさみさんの明るさと元気に改めて感激いたしました。
子供たちを取り巻く環境・事件は、テレビ・ニュース・マスコミ等で連日取り上げられ、もはや危機的状況です。 伊藤あさみさんの体験とお話しを、たくさんの親子さんに知っていただき、元気と勇気を与えていただきたいと思います。
『足の指で包丁を持ち、器用に白菜を刻む山形県天童市の伊藤あさみさん。 掃除や洗濯も足で、裁縫も得意だ。食事、着替え、字を書くのも足で…。出産後も手で抱くことが出来ない娘を、風呂敷に包んで口で運んだ。あさみさんは今、学校や少年院で「命の学習会」と題して、親からもらった命のありがたさと、人はやれば出来る、ということを伝えています』
また東京で講演会が実現できるように、広報して参りたいと思います。
東京城東ロータリークラブ
プログラム委員長 篠田泰彦
「伊藤あさみさんのご講演会に携わって」
平成24年5月28日
「朝7時半に家を出て8時の新幹線で東京に来ました」と山形なまりの言葉で私達にお声を掛けて頂きました。
「満面の笑みを浮かべた小柄な優しい田舎のおばあちゃん」
伊藤あさみさんは、そんな第一印象の女性です。
講演会の前に伊藤さんと打合せを兼ねて昼食をしようということでロータリークラブのメンバー数人とサポーターの秋葉さんもご一緒しました。
この時、伊藤さんが不自由な所作で昼食をとられる場にご一緒することに、私は、失礼ながら、戸惑いを覚えたのが正直な気持ちでした。
しかし、そんなちっぽけな感情など、すぐに吹き飛ばされてしまいます。
秋葉さんのさりげないサポートを受けながら伊藤さんは自然、泰然と当たり前に、そして、見事に足を使われ、お茶碗からお茶を含み、お弁当に、はしを運び、おいしそうに召しあがります。その間も終始にこやかに、ご自身の現在の暮らしぶりをお話しされます。
母上との話。娘さん、3人のお孫さんの話から、家族団欒の話題についてのルール。障害者が健常な子供を産み、育てることの難しさ等々。
聞いているだけで、胸の詰まるお話も伊藤さんは淡々と落ち着いた口調と笑顔で75年のご経験をお話しされます。
本番の講演でも、その重く辛いはずの体験とそれを通した思いを伊藤さんの強さに裏づけられたのだろう、優しい微笑みをもって話をされると「やればできる」という言葉が、自然と実感されました。
お母さん、娘さん、お孫さん、亡くなられたご主人と、現在のご主人、あらゆる人達と今、生きていることに感謝して、これからを生きていく覚悟をご自身の体験を通した自然な言葉で判り易く私達に伝えて頂けた講演会だと思います。
この日の体験は、私達だけにとどめることなく、もっと多くの「親と子供」これから子供を持つ「若い人達」に是非とも「伊藤あさみさん」を知ってもらい、会ってもらいたいと強く願います。
私も、その機会が実現するよう、ロータリアンとして努めていくつもりです。
伊藤あさみさんご家族がいつまでも健やかでありますことをお祈り申し上げます。
東京城東ロータリー会長 上條 隆志
『命の学習塾 伊藤あさみさん ご講演』に寄せて
平成24年5月26日
ひょいと足を持ち上げて、両足で器用にリンゴの皮を剥いたり、編み物をしたり…。まるで手品でも見ているような驚きの後に、ここまで出来るようになるための並々ならぬ努力を思い、強く胸を打たれました。
生まれながらにして両手が不自由であった伊藤さんを、お母様は決して甘やかすことなく、「ないものに頼らず、あるものを使いなさい。」「できないことから逃げてはいけない。」と自力で生活するよう教育したといいます。
親として、わが子が苦労する姿を見るのは大変苦しいものです。手を出して助けてあげたいと何度も思ったに違いありません。
けれど心を強く持って見守り続けたお母様と、その気持ちに応えて頑張り続けた伊藤さんの努力が、自立、結婚、出産という人生の喜びへとつながっていったのでしょう。
伊藤さんご自身が、直接語られる生の声一言一言は、聴く者の心に深く沁みてまいりました。「感謝」という言葉がたくさん聞かれたのも、印象的でした。
わが人生を振り返れば、諦めや挫折の中に自分の甘さがあったことに気付かされます。今も、老いに抗えず、失敗しては言い訳の多い毎日。70歳を過ぎても溌剌と生活する伊藤さんを見て、自分に恥じ入るばかりです。
昨今、ちょっとした挫折やコンプレックスから引きこもりになる若者が増えているといいます。彼らの目に伊藤さんの姿は、どう映るのでしょう。
伊藤さんは現在、講演を通じてご自身の経験を伝える活動をしているとのこと。
夢にあふれる子供たち、人生に悩む若者、子育て中の母親、そして老いを迎え弱気になっている者…。
伊藤さんの生きる姿と満面の笑顔は、すべての世代の人々に元気と勇気を与えてくれることでしょう。
東京城東ロータリークラブ
社会奉仕委員長 伊藤 健一